今や押しも押されもせぬ世界的なNO.1ロックンロールバンド「BON JOVI」。
彼らのニューアルバムが発売されるということで早速amazonで予約を完了。
産業ロックだとかなんだとか、とかく売れるとそれなりに批判も多くなるのがこの業界の常だけど、
彼らはデビュー当時から聞いているバンドで、実はそれなりにマイナスの感情から聴き出した
にもかかわらず彼らの音楽性にすっかり魅了されてしまっているファンのひとりです(笑)。
彼らがデビューした1984年前後というのは、空前のハードロック・へヴィメタルブームの時期で、
特にアメリカの西海岸出身バンドがもてはやされて、俗に言う「L.A.メタル」が最盛期を迎えようか、という時期。
当時の音楽の、それもこの系統のハードロック(ハードロックが音楽のメインストリームになってたのも事実)を
思い出してみると、まぁ、ヴァン・ヘイレンはジャンルとかに左右されない別格としても、この頃に一気にメジャーに
なったのがまずは「クワイエット・ライオット」。ランディー・ローズという未完の大器的な伝説の
ギターリスト(当時はオジーオズボーンバンドで名が売れたんだけど)を擁したバンドのトリビュートということで
「カモン・フィール・ザ・ノイズ」のカバー曲がブレイクして一気にメジャーバンドになった。
このクワイエット・ライオットのヴォーカルだったケヴィン・ダブロウが、つい先日薬物関係で亡くなったという
ニュースも個人的には結構ショッキングだったんだけどね。
その後、「ナイト・レンジャー」「モトリー・クルー」「ラット」などがどんどん続いて、この勢いを読み間違えた
各レーベルによる、いわゆる「バンドの青田買い」が一気に進んで、この系統のバンドが百花繚乱のごとく
デビューしまくる、という時期。
そんな中で、当時は西海岸出身バンドが一斉を風靡していたんだけど、BON JOVI は東海岸出身の
バンドとしてデビューした。
しかも当時の「L.A.メタル=ギターサウンド」という構図も意に介さず、キーボードの強烈なリフが特徴的な
名曲「Runaway」で鮮烈なデビューを果たしたバンド。
実はデビュー当時に彼らのCDを買って聴いたんだけど、「このキーボードリフがメインはありえんだろ」とか、
「このヴォーカルの声質はラットのステーヴン・パーシーと一緒で、拡張性はないぞ」みたいな感覚で、
どちらかといえばマイナスのイメージを強く持って聴いていた思い出があるんです。はい。
ところがどっこい(笑)、今や世界中で押しも押されもせぬスーパーバンドになってしまいました(^^;
ある意味先見の明がなかったというか(笑)
でも、彼らの人気が確定的になったのは日本が最初ということは今でも有名な逸話なので、
当時彼らの音源をしっかり購入したこと自体が、彼らの成功に少なからず寄与したのではないか…と
今や大ファンのひとりとして、ひそやかな自慢の種になっているのも正直事実です(笑)。
彼ら(Bon Jovi)のすごいところは、ソングライティングが優れているところに尽きると思う。
もちろんプロモーション力やマネージメント力によるところは多大で、だからこそ、産業ロックだとかの
批判を受ける結果になっているんだろうとは思うけど、彼らの楽曲を純粋に聴いてみると、
ホントに素晴らしい楽曲が並んでいる。
有名どころでは、デズモンド・チャイルドとか、外部のメジャーなコンポーザーと共作、という形を
これまでもずーっととり続けているけど、根本の部分で彼らの音楽性は変わっていなくて
それがこれだけ長きに渡って常に優れた楽曲を生み出している根源だと思う。
とかく、ヴォーカリストのジョン・ボンジョヴィと、ソロでアルバムも出したギターリストの
リッチー・サンボラが取り上げられることが多いバンドだけど、実はこの二人以外の
メンバーもめちゃくちゃすごい。
ティコ・トーレスのトラミングは、そのひとつひとつの音をしっかり聴かせるというドラミングで
もう文句なしだし、デビュー当時はその楽曲の屋台骨を一身に
担当していたデヴィット・ブライアンのキーボードもめちゃくちゃうまい。
特にアレンジャーとしてのセンスはアルバムを出すごとに光っている。
で、今回の新しいアルバムが出るにあたって、唯一の不満材料は、オリジナルメンバーの
ベーシスト、アレック・ジョン・サッチがいないこと。
彼のベースラインはほんとにロックンロールバンドのツボを押さえた、心地よいベースを
弾き続けていただけに、彼がいない「ボン・ジョヴィ」はなんだかちょっと寂しい。
ベースラインという地味な部分ではあるので、そこはセッションミュージシでも無難には
こなすことだろう・・・というか楽曲の良否を大きく損ねることはないんだろうとは思うけど、
あのアレック・ジョン・サッチのような、聴く人間には「おーっ、こんなラインで来るか」みたいな
玄人受けするベースプレイは望めないのかなぁとちょっと不満でもある。
まぁ、アルバムがまだリリースされたわけではないので、実際誰がベースを担当してて
とんなラインを弾いてくれるのか、聴いてみないとわからないんだけどね。
とにかく当時からのファンとしては、彼らの新譜は楽しみで楽しみでしょうがない。
はやく聴いてみたいなぁ・・・。
[これまでのハードロック系のエントリー]
MR. BIG やっぱり最高のロックバンド
ライブバンドとしては、BON JOVI よりも MR. BIG の方が好きです。やっぱり(笑)。