ずーっと楽しみにしていた武道館ライブのDVD、昨日ようやく鑑賞できた。
もうホントにこのバンドは90年代の最高のロックバンドのひとつだと断言できます。はい。
やっぱりオリジナルメンバーが最強・最高。
ヴォーカルのエリック・マーティンは独特のスモーキーハスキーボイスが若干ウェットな
感じになっていて年齢を感じさせるけど、まだまだ魅力いっぱいのホントに良い声を
しているし、なんといってもオーティス・レディング系のソウルフルな節回しというか、
聴き応えのある歌い方は健在。この手のハードロック系のヴォーカリストはレコーディングで
かなりギリギリのところまで張り上げてることがほとんどなので、ライブになるとどうしても
粗が目立つことが多いんだけど、彼はそういう意味ではコンスタントで「はずれ」が少ない。
ホントにこの系統の業界ではまれな「上手」なシンガーだと思う。
パット・トーピーもトリッキーなドラミングと、以前から定評のコーラスワークが健在。
彼のドラミングって、手数が多くて、しかもとても器用でバリエーション豊かなパターンを
たたき出すんだけど、基本的な部分でリンゴ・スターのような、ここはこう来るだろう
っていう、なんていうか聴いてる側の予想を良い意味で裏切らないシンプルさも
あわせ持ったドラミングで、それがたぶん何となく心地よいドラミングに聴こえるんだと思う。
最も好きなロックンロールドラマーの一人。
ビリー・シーンのベースと全体を見渡したサウンドコンポーザー的な役割も
より一層磨きがかかっていて、さらに今回驚いたのは歌が上手くなってた(笑)。
彼のベースプレイには賛否がかなり分かれるんだけど、あれだけスタイルを完全に
確立してしまったら、あれはあれで他の誰にもそう簡単にはまねできないレベルなので
(コピーは簡単だけど、あの発想が、というレベルでのお話です)完全に独自の
世界を作り上げたっていう部分ではやっぱりすごいなぁと思いますです。
そしてそしてこのバンドのサウンドを支えるポール・ギルバート。
彼のギターワークはホントにすばらしい。ライブだとその実力が如実に出るなぁ。
MR. BIG 結成当時はレーサーX時代のイメージがかなり強くて、「単なる」
速弾きだけが得意な、1小節におたまじゃくしをどれだけ入れ込めるかだけを
目指しているギタリストなのかなという印象が強かったんだけど、何だかMR. BIGで
一気に音楽的なコンポーザーやプロデューサー、ディレクター的な才能を開花させた
ような印象でレーサーX時代からは考えられないようなセンスの良い楽曲作りももちろん、
ギターのプレイもすごく幅のある奥行きを感じさせる。あくまでも個人的な感覚だけど、
ポール・ギルバートがMR. BIGに参加したことで最も成長したミュージシャンなんじゃ
ないかなって感じている。
個人的には、エリック・マーティンの大ファンなんだけど、このバンドに関しては
全員がホントにすばらしい。ナミダが出るくらい最高。
全米ビルボートチャートのNO.1ソングを有するバンドにもかかわらず、その評価は
日本でのほうが圧倒的に高い「MR. BIG」。
というか、欧米の大雑把な方々にはなかなかうけない玄人好みのバンドなのかなぁ。
日本だけでなく、アジアの要するに大雑把でない繊細な人種の諸国では絶大な
人気を誇っている。
それはメンバーたちも十分に理解しているので、アジア、特にジャパンツアーは
相当な気合を入れてきてくれるだけにさらに良いパフォーマンスを堪能できるという、
まぁ、ある意味欧米の方々はこのバンドを永遠に認めないでください、
と言いたいくらい、日本でのプロモーションやライブをメンバーたちもかなり重要視して
くれている現状は、日本のハードロック系ファンにはとても有難いことだと思います。
いやー、ホント文句なくすばらしいパフォーマンスでした。
今回再結成で、それなりに余裕があったことがさらにパフォーマンスに良い意味で
「奥行き」を与えていて、ファンにはもう何ともたまらない魅力いっぱいのライブです。
断言します。「MR. BIG やっぱり最高のロックバンド」です。間違いないです。はい。
One thought to “MR. BIG やっぱり最高のロックバンド”